私たちが生きていく上で酸素は必要不可欠なものです。酸素は細胞が増えたり、働いたりするために多く必要です。不足すると体内に取り入れた栄養素を使いこなせなくなり、身体にさまざまな弊害が起きやすくなります。十分な酸素が身体中に行きわたっていると、細胞や血液、臓器がきちんと役割を果たします。また、脳に十分な酸素が届いていることは、とても重要な身体のしくみです。
しかしながら、この酸素は“もろ刃の剣”であり、実は老化や病気の原因にもなるのです。現代の目まぐるしい生活環境の変化は、ストレスを引き起こし、酸素の消費量を高めてます。

最近よく耳にする「活性酸素」とは、一体どのようなものなのでしょうか?

私たち人間が、生きるために呼吸し、体内に取り込んだ酸素の約2%は、活性酸素という非常に不安定で、酸化性の強い物質に変化することが知られています。この活性酸素は細菌やウイルスなどの侵入から私達の身体を守ってくれるという大切な役目を果たす一方で、細胞や遺伝子(DNA)を傷つけ、癌を含むいろいろな病気の発生原因になると恐れられています。
活性酸素は、激しい運動、喫煙や飲酒、ストレス、紫外線、大気汚染、電磁波、放射線、残留農薬など、さまざまな原因で発生することが知られており、現代社会に生きる私たちの生活環境や生活習慣には活性酸素を必要以上に増やす条件が見事にそろっています。
この余分な活性酸素は、通常、体内の抗酸化酵素や抗酸化物質によって除去され、その害作用が抑えられるようになっています。しかし、このような仕組みは年齢とともに機能低下し、老化現象や生活習慣病などの形となって現れてきます。


*疲労回復
酸素には「疲労」や「だるさ」の原因である血中の乳酸を分解する働きがあります。そのため体内に取り込むことのできる酸素量が多い人と少ない人では、疲労の回復に要する時間に大きな差が出ます。また、運動後の筋肉疲労だけではなく、日常の慢性的な疲労の回復にも酸素が密接に関係しています。

*血行改善
酸素には血行をよくする働きがあります。人間は血管とともに歳をとるといわれていますが、血液中の酸素が増えると血流量が増え、血管の内壁に付着したコレステロールなどの不純物を一緒に洗い流して血管の老化を抑えることにもつながります。

*美肌効果
細胞は、毎日活発に新陳代謝を繰り返し、新しい細胞へとつくりかえられます。しかし、血液の循環がよくないと肌の細胞まで十分に酸素が送られなくなり、肌の老化が進みます。毛細血管の先の細胞にまで酸素が供給されると、細胞がどんどん再生されるので、肌がつややかで輝きが増し美しさを保てます。

*ダイエット効果
肥満の最大の原因である脂肪は、主に酸素を介して分解され、体内の酸素量が多い人ほど無駄な脂肪が燃焼されやすいといわれています。肥満解消の秘訣は過食を避け、適切な運動をおこないながら、新鮮な酸素を身体いっぱい取り入れることです。

*睡眠
睡眠は脳の疲れをとり、正しい情報処理をうながしながら、記憶を定着させる作用があります。また、睡眠中にはあらゆる器官で老廃物の排出や栄養補給などのメンテナンスが行われます。このとき、酸素の十分な供給が必要であり、睡眠効果を高めることになります。適切な運動を行いながら、新鮮な酸素を身体いっぱい取り入れることです。